バルーン屋さんにとって「ヘリュウムガス」は、なくてはならないものです。しかし、残念なことに2019年の年明けより「今年はかなり深刻です」と、ガス会社の方から連絡をいただきました。
2012年の末に起きた「ヘリュウム・ショック」では、東京ディズニーランドからバルーンが消えたことで、かなり話題になりましたが。じつは2018年も、東京ディズニーランドで同じことが起きていたので覚悟はしていたのですが。。
はっきりわかっていることは、2019年以降しばらくは、ヘリュウムガスの供給が「かなり難しい」ということです。今後バルーン屋さんは、どうなっていくのでしょうね?
浮かないバルーンはバルーンじゃない?
ヘリュウムガスを入れることでバルーンは浮くのですが、浮かない風船を売るバルーン屋さんは消えてしまうのか?「浮かない風船なんて風船じゃない!」という方はそう思われてもしかたがないですよね。でも、バルーン屋さんはそうはいきません。
では、ヘリュウムにかわる原料を入れるのか?たとえば、水素とか?
ダメダメ、水素は引火・爆発の危険性があるので使えません。では、どうしましょう?
そうです。「浮かないバルーン」をみなさまに提案するしかないのです。
浮かないバルーンを使った商品はいまでも売っています。
「浮いていないバルーンってどんなバルーン?」と思われる方に簡単にご説明しますね。
「バルーンアレンジ」 空気を入れたバルーンをスティックにつけて、陶器やブリキ、籐(とう)などでつくられた容器にスティック付バルーンを差し込んでアレンジメントしたものです。例えば、お花屋さんのアレンジメントがバルーンにかわったものと思ってください。生花を使っていないものは、お水をつぎたすことがないので、長い間そのまま飾っておくことができます。
「バルーンバンチ」 スティック付バルーンを束ねて花束にしたものです。こちらも長い間飾っておくことができます。
このように浮かぶバルーンと一緒にお店で売ってます。けっこう人気なんですよ。
でも、浮かぶバルーンでないとできないこともあるのです。
バルーンリリースは今後なくなる!?



ヘリュウム不足で絶対にできないことがあります。それは、「バルーンリリース」(バルーンを飛ばすこと)です。結婚式やイベントなどで風船を飛ばす、アレです。ヘリュウムガスの代替品ができるとその心配もなくなるのですが、今のところそれはムリでしょう。
ヘリュウムは天然ガスから採取するのですが、
- 天然ガス田の供給元が大きく増える傾向にない。
- 採算が合うコストで取り出せるガス田は、アメリカ・アルジェリア・カタール・ロシア・ポーランドの5カ国のみ。(アメリカは民間への払出しが終了)
- ヘリュウムは医療用・工業用にも使用する。
これらの理由からヘリュウムガスがバルーン屋さんに安定供給する見込みは少ないと考えられます。